まとめ =========== 本節では、Jupyter-notebook を用いることで Python の基本的な文法と使用法を概観しました。 Jupyter-notebookのような対話的な環境では書き間違いなどによるバグがすぐに見つかるため、 特にプログラミングに不慣れな人にとって効果的な学習環境となるでしょう。 本節では、Python の基本的な文法を紹介したのみで、 例えばクラスの定義法やオブジェクト指向プログラミングなどは詳しく述べませんでした。 しかしPythonには、Numpy や Matplotlib などの多様なパッケージが用意されており、 一般的なデータ解析では、それらで定義されたオブジェクトを使用するだけで十分なことが多いでしょう。 データ解析では試行と可視化の繰り返しが重要です。 特に、新しい実験データ・シミュレーションデータが得られた時のように 確立した解析法がないデータから意味を抽出する必要がある場合には、 精緻なプログラムを構築するというよりは、 外部パッケージを使っていろいろな解析を様々に試してその結果を可視化する、 というサイクルを高速に回す方が効果的であることが多いと思います。 これから Python を学ぶ読者も、その厳密な文法を学ぶ前に、 以降の章で説明する外部パッケージを用いてまずは実際のデータを解析してみて、 その結果を見ながら徐々に言語に慣れていくという方針をとるとよいように思います。